生駒里奈
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蜘男やさそり男が、かつて自分と同じように誘拐され洗脳され改造された、罪も無い人間達であったとしたら(てか実際そうなんだけど)、彼らと同じ素材でできている仮面ライダーは、彼らを容赦なく倒せるのだろうか。ラストに於いて、もはやジェイソン・ボーンであることを止めた男は、かつての自分と同じような暗殺者に向かってこう語る。「おれ達を見ろ」と。字幕では「人間といえるか?」になっていた”Look at what they make you give.”は、「アイデンティティー」に於いては「これがおれ達の末路だ」と訳されていた。ボーンを倒そうとして返り討ちにあった「教授」の最後の台詞だ。
これは理由を喪失することについての物語だ。国を守るため、国民を救うためと言われて志願してみれば、そこに待っていたのは理由について考えることを奪われ、ただの機械として人殺しを遂行してゆく世界だった。しかし、そのそもそもを見据えてみれば、すべては彼自身の志願によることだ。イラクで人を殺し、戦争がひとまず終わってみれば、そこに大量破壊兵器は無かった。しかし、それはアメリカの国民がそもそも望んだことではなかったか。復讐を、戦争を望む声がなかったとは言わせない。いくらいま、こんなはずじゃなかった、と大声をあげようとも、すでに多くの人が死んでいる。そして死人は生き返ることがない。時間は不可逆な素材からできている。時間が元に戻らないからこそ、罪というものが存在するのだ。
理由と喪失 - 伊藤計劃:第弐位相 (via ginzuna)
「インクの価格は、フランス製の香水の倍以上高い」という。たしかにシャネルNo.5の1オンス当たりの価格は38ドルなのに対し、ヒューレットパッカードのプリンター用インクは75ドルもする。


